2017年03月21日
発行元:(株)資生堂
研究・サプライネットワーク
文化・スポーツ
資生堂所蔵の歴史的資料が「化学遺産」として認定
~2017年3月17日(金)に慶応義塾大学日吉キャンパスにおいて化学遺産認定証贈呈式を実施~
資生堂が所蔵する歴史的資料が、平成28年度(第8回)の「化学遺産」に認定されました(公益社団法人日本化学会主催)。これは、「近代化粧品工業の発祥を示す資料」として認定されたものです。当社で認定されたのは以下3品の容器と処方帖です。
① 日本初の固形石鹸状の練歯磨き「福原衛生歯磨石鹸」:1888年(明治21年)当時の容器と1924年(大正13年)当時の処方帖※1
② 資生堂初の化粧水「オイデルミン」:1918年(大正7年)当時の大小容器と1924年(大正13年)当時の処方帖
③ 本格的なヘアトニック「フローリン」:1915年(大正4年)当時の容器と1924年(大正13年)当時の処方帖
※1 大正13年当時の主な化粧品に含まれる成分と用量を記した帳面。
2017年3月17日(金)に慶応義塾大学日吉キャンパスにおいて化学遺産認定証贈呈式が行われ、今年度の認定対象となる「近代化粧品工業の発祥を示す資料」を所蔵する6者を代表して、当社代表取締役執行役員副社長の岩井恒彦が認定証を受領しました。
化学遺産に登録された商品左から「福原衛生歯磨石鹸」「オイデルミン」小・大、「フローリン」
Download Small Image[45.7KB] Download Large Image[1786KB]左より、当社代表取締役執行役員副社長の岩井恒彦、日本化学会会長山本尚(やまもとひさし)氏
Download Small Image[69KB] Download Large Image[1932KB]化学遺産とは
公益社団法人日本化学会※2が、「化学に関する歴史的に貴重な遺産を文化遺産、産業遺産として次世代に伝え、化学に関する学術と教育の向上及び化学工業の発展に資する」ことを目的として、平成21年度から認定を開始したものです。毎年5~7件の資料が化学遺産として認定されています。対象となるのは、化学プラント遺産や象徴的な建造物・構造物、保存・収集された装置・製品、歴史的意義のある化学関連文書類などです。第8回の認定5件(号)も含め、累計で43件(号)が化学遺産として認定されたことになります。
※2 1878年(明治11年)に創立され、会員約3万名を擁するわが国最大の化学の学会。化学・化学技術の知識を進展させ、人類の発展と地球生態系の維持とが共存できる社会の構築を目指している。
化学遺産として認定された資生堂の資料
①福原衛生歯磨石鹸
1888年(明治21年)に発売された日本初の固形石鹸状の練歯磨。粉歯磨が1袋2~3銭の時代に陶製の容器に入って25銭と大変高価でしたが、品質が良く売行きが上々、1890年(明治23年)の第3回内国勧業博覧会で褒状を受けました。容器の上部に、当時の資生堂の商標である「鷹」のマークが描かれています。
②オイデルミン
1897年(明治30年)に、資生堂が化粧品事業に進出するきっかけとなった化粧水。「オイデルミン」とは「良い皮膚」を意味するギリシャ語の造語で、西洋薬学処方に基づき開発されました。その色から「資生堂の赤い水」の愛称で親しまれました。
③フローリン
初代社長の福原信三が米コロンビア大学を卒業後、研修生として働いていたアメリカのバロー・アンド・ウェルカム社から、帰国にあたって贈られた処方を基に1915年(大正4年)に開発されたヘアトニック。「フローリン(FLOWLINE)」の商品名は英語からの造語で、流れるような美しい髪をイメージしてつけられました。容器は当時としては珍しい楕円筒形のガラス製の瓶で、レーベルには説明が英語で書かれ、「資生堂」や「銀座」もローマ字で「SHISEIDO」「GINZA」等と記されるなど、西洋感覚あふれるデザインでした。
※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。